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みかん。
EOSで撮る人の戯れ言
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永坂嘉光



少し前、すごい写真集と出逢ったので紹介したい。

永遠の宇宙 -高野山

写真集に、読後感という言葉は合わないかもしれないが、
すべてを見終わった後、なんというか心が拓けるような感じ。
すごく重いけど、すごく軽くなる不思議な作品群。
“宇宙”という表現は間違っていない。
この写真集には何かが棲んでいる。
そんな気さえしてしまう。

永坂嘉光さんという写真家さんで、
40年以上も高野山を撮り続けているらしい。
しかもフィルムで撮っているようだ。

こんな写真を撮る方のほかの作品もぜひ見てみたいものだ。


木村伊兵衛



あまりにも写真がよかったので
写真集を衝動買い。

木村伊兵衛 パリ残像

被写体がパリだからじゃない。
写真がフィルムだからじゃない。
単純に、写真がうまい。

同じ時代のパリに、
同じカメラを持って撮っても、
こうは撮れない。

和製ブレッソンなんて言われてたみたいだけど、
誰かのオマージュや二番煎じじゃなく、
木村伊兵衛は、木村伊兵衛。

スナップは好きな分野だけど、
いいなあと思えるスナップはなかなか少ない。
最近は、写真が加工しやすいから、
フィルムルックに仕上げて、それっぽくはできる。
事実、そういう写真は少ない。

写真人口は増えたけど、写真のレベルが上がったわけではなく。
写真仕上げの難易度が下がって、個性的な写真が激減していって。
みんなが良いという写真は、どこかで見たことのある写真。

この写真集を見て、文字通り雲上の人だけど、
素直に尊敬してしまった。
良い写真を撮ろうなんて、考えてないような気がする。
これが才能というか、センスというか、木村伊兵衛なんだな。

しかし、久しぶりに、いいスナップ写真集を見た気がする。

水谷章人




スポーツ写真を語る上で、
水谷章人さんと菅原正治さんは
避けて通ることはできない。
今月号のフォトコンに掲載された一枚。
白鵬が四股を踏んだシーンだろうか。
水谷さんの作品だ。
写真のインパクトにやられて
しばらくこのページに見入ってしまった。
スポーツ写真は、動きものじゃないんだな。
撮れそうだけど、撮れないからプロ写真家。
本当にいい写真だと思った。

水谷塾というものがあるらしい。
スポーツの報道写真との違いは、
作品性の追求にあると思う。
記録写真ではない、ドラマを描くとでもいうのか。
水谷さんの教えは、背景にこだわることだという。
基本、望遠写真になるわけで、背景はぼけることが多い。
でも、そのボケ方が重要らしく、
闇雲に撮ればいいということではない。
参加したことがないので、一概には言えないが、
相当むずかしそうだ。
私は子供の剣道を撮影することが多いが、
水谷塾で学べば、腕を上げることができるだろうか。

須田一政


EOS M3, EF-M22mm F2 STM, 1/60, F2.0, +1/3, ISO800


日本で今、モノクロ写真を撮らせたら、
森山大道、須田一政にかなう者はいない。
というのは、私の完全なる主観。
もちろんカラーも撮る写真家だ。

上の写真はもちろん須田氏の作品ではないし、
完璧にデジタル写真なので遠く及ばない。
同じカメラ、同じフィルムを使っても、
同じ場所で撮っても、
撮り手が変わればまったく違う写真が生まれる。
須田氏の写真が持つ、魔力ともいえる魅力は言葉にすることはできない。
誤解を恐れずにいえば、グロテスク。
特別ではない光景を、異形の一枚として描く。
圧倒的な力がある。
『人間の記憶』という写真集を見たとき、私は正直震えた。

森山大道、立木義浩、淺井慎平、篠山紀信、荒木 経惟……。
写真界の重鎮たちと同世代を生きた須田氏は、今の若手たちに何を思うのか。

セバスチャン・サルガド




写真を始めて数年の私は、
いわずもがなデジタルからのスタートだ。
フィルムへの憧れがないといえば嘘になるが、
デジタルはやはり便利。
偉大なる写真家は、道具を選ばない。きっと。
私が写真に興味を持ったきっかけが、この一枚。
報道写真家、セバスチャン・サルガド。
それまで写真やカメラにまったく興味がなかったので、
聞いたこともない名前だった。
彼の写真はモノクロで描かれた絵画のよう。
圧倒的なメッセージがあって、
言葉の無力さを痛感させられる。
言語を持った写真だ。
私にとって存命中の写真家で、彼を超える人物はいない。
日本にも、報道写真家ではないが、ジャーナリズムを感じる写真を撮る人がいる。
野町和嘉さんや長倉洋海さん、最近では竹沢うるまさんという方々は有名だ。
いずれ書きたいと思う。

それにしても、サルガドの新作を、今後見る機会があるのだから、
同じ時代に生きることができてよかった。

そんな彼のドキュメンタリー映画がこの夏公開される。
(WEBサイト)
http://salgado-movie.com/
(予告編)
https://youtu.be/5S5JuL1nc24

予告編ムービーを見ると、
サルガドがキヤノンづかいであることもわかる。
ちょっとうれしい。

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